新型ステップワゴンとヴォクシー、ノアどれがオススメか。遂にステップワゴンにハイブリッドが設定された。そこで人気の高いミニバン3車種を徹底比較していく。
ステップワゴンは2017年9月にマイナーチェンジを行ない、新型へと生まれ変わった。
これにより、遂に待望のハイブリッドモデルがラインナップされる事になった。
新型ステップワゴンの特長は以下の通りだ。
・スパーダにハイブリッド設定
・燃費性能の大幅向上
・安全装備の進化
・デザインの変更
・新色の追加
ステップワゴンにもようやくハイブリッドモデルがラインナップされたわけだが、 少し遅いくらいであった。
実は、ミニバン市場ではハイブリッド設定がなくてはもう戦えないとまで言われている。
ステップワゴンにハイブリッド設定が中々誕生しないので、痺れを切らしヴォクシーやノアに流れてしまったユーザーは多くいる。
今までは性能や外見で、トヨタのヴォクシー/ノアに散々やられていたステップワゴン。
待望のモデルチェンジで最大のライバルであるトヨタのヴォクシー、ノアに勝つことは出来るのだろうか。
性能などを徹底的に比較していきたい。
ミニバンクラスでは少ない「1800ccハイブリッド」、そして「2000ccガソリンエンジン」の2種類のパワーユニットを用意している。
ガソリンモデルはミニバンクラスでも悪くなく、パワーが魅力的だ。 ハイブリッドモデルでは、JC08モード燃費:23.8km/Lと高性能な燃費だがエンジンパワーがイマイチだ。
外観は人気で、マイナーチェンジ時に、LEDヘッドランプからBiビームに変更したりバンパーもより洗礼されたデザインなっている。
また、ボックス系ミニバンの代表として、90mm低床化しているので室内高が高くなり乗降時に便利になっている。
インテリアでは前席シートバックテーブル、USB端子の個数を増やしたり、荷室や3列目の空間が拡大していて使い勝手も良い。 |
マイナーチェンジによって、外見の印象を大きく変えた。 標準車のフロントグリルはボディと同じカラーを採用し、ヘッドランプも小さくなった。
後席の床面は360mmの低床設計なので高齢者や小さな子どもでも楽に乗降できる。
なお、細かいデザイン以外は価格や燃費、装備などで兄弟車である「ヴォクシー」と変更はない。
ヴォクシーが若い層に人気に対してノアは年配に人気がある車種だ。 |
はじめに燃費の比較をしていきたい。
と、言うのも新型ステップワゴンでは燃費が大きく向上したからだ。
比較してみると、新型ステップワゴンが1番燃費が良いのがわかる。
ハイブリッドも、ガソリンもステップワゴンが勝っているのだ。
▼【ハイブリッドの燃費比較】
・ステップワゴンスパーダハイブリッド
JC08モード燃費:25.0km/L
・ヴォクシーハイブリッド
JC08モード燃費:23.8km/L
・ノアハイブリッド
JC08モード燃費:23.8km/L
▼【ガソリンの燃費比較】
・ステップワゴン
(FF)JC08モード燃費:15.4~17.0km/L
(4WD)JC08モード燃費:15.0~15.4km/L
・ヴォクシー
(FF)JC08モード燃費:16.0km/L
(4WD)JC08モード燃費:14.8km/L~15.0km/L
・ノア
(FF)JC08モード燃費:16.0km/L
(4WD)JC08モード燃費:14.8km/L~15.0km/L
このように燃費比較をすると新型ステップワゴンの燃費性能の良さが分かる。
発売されたのも1番新しいので後出しとなるので当然と言えば当然だ。
また、車両重量も軽いほど燃費性能が高くなる傾向にあるのも忘れてはいけない。
車両重量を比較してみよう。
新型ステップワゴンが1番軽量な事が分かる。
※数値は最大車両重量
▼ハイブリッドモデル
・ステップワゴンスパーダハイブリッド
1780kg~1820kg
・ヴォクシーハイブリッド
1995kg~2005kg
・ノアハイブリッド
1995kg~2005kg
▼ガソリンモデル
・ステップワゴン
1640kg~1780kg
・ヴォクシー
1955kg~2120kg
・ノアハイブリッド
1955kg~2120kg
新型ステップワゴンは軽量で誕生しているのだ。
これも燃費性能に一役買っているのだ。
しかし、ステップワゴンとヴォクシー、ノアの車両重量を比較してみると大きく差がある事が分かる。
この車両重量でも決して悪くない燃費性能をキープしているヴォクシーやノアはさすがだ。
燃費性能はステップワゴンが1番優れている事が分かったが、求め安いのはどの車種なのだろうか。
価格を比較していこう。
▼ハイブリッドモデル
・ステップワゴンスパーダハイブリッド
3,300,480円~3,559,680円
・ヴォクシーハイブリッド
3,014,280円~3,269,160円
・ノアハイブリッド
3,014,280円~3,269,160円
▼ガソリンモデル
・ステップワゴン
(FF)2,455,920円~3,665,000円
(4WD)2,715,120円~3,245,400円
・ヴォクシー
(FF)2,466,720円~3,257,280円
(4WD)2,671,920円~2,970,000円
・ノア
(FF)2,466,720円~3,257,280円
(4WD)2,671,920円~2,970,000円
ハイブリッドモデルでは、ヴォクシー/ノアのエントリー価格、約315万円設定が1番安い。
ステップワゴンスパーダハイブリッドのエントリー価格は約330万円だ。
ヴォクシー、ノアと比較してしまうと約15万円も差が出てしまう。
一方、ガソリンモデルではステップワゴンのエントリー価格約245万円が最安となる。
尚、新型ステップワゴンでは「ホンダセンシング」を全モデル搭載している。
ホンダセンシングはホンダの先進安全運転支援システムでこれが搭載されてこの価格は納得だ。
燃費も向上しているので、価格設定は多少高くなってしまっても妥当と言えよう。
ただし、
「ホンダセンシングは必要ないからもっと安くしてステップワゴンが買いたい」と言うユーザーにホンダセンシング非搭載モデルも用意している。
・新型ステップワゴンスパーダハイブリッド
ホンダセンシング非搭載:(FF)3,136,320円
・新型ステップワゴン(ガソリンモデル)
ホンダセンシング非搭載:(FF)2,540,160円(4WD)2,777,760円
ホンダセンシング非搭載モデルを選べば価格がグッと下がるので、ヴォクシーやノアよりも安く購入する事は可能だ。
ホンダセンシングは今話題の安定運転支援システムで、各メーカーが競ってその技術を高めている。
しかも、新型ステップワゴンにはその最新バージョンが搭載されているので、
どうせならホンダセンシング搭載モデル購入をオススメしたい。
レーダーとカメラを融合したシステムを搭載することで、
主に、以下の8つの事故予防の運転支援を受けられる。
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・先行車発信お知らせ機能
・路外逸脱抑制機能
・標識認識機能
・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
・LKAS(車線維持支援システム)
なお、スパーダハイブリッドには時速0キロメートルから前方の車に自動追従できるアダプティブ・クルーズ・コントロール機能を追加している。
新型ステップワゴンではこれらの機能に加え、更に安全支援運転を強化している。
他の安全装備をみてみよう。
・VSA
雪、雨など道路状況が悪い時にスリップなどの横滑りに対応する。
“ブレーキ時の車輪ロックを防ぐEBD付ABS、加速時などの車輪空転を抑えるTCS、旋回時の横すべり抑制。これら3つの機能を制御し、クルマの姿勢の安定化を図るVSAを全タイプに標準装備。” |
・エマージェンシーストップシグナル
急ブレーキサインを後ろの車にランプで知らせる
“走行中に急ブレーキと判断すると、ブレーキランプの点灯に加えて、ハザードランプが自動で高速点滅し後続車に注意を促す、エマージェンシーストップシグナルを全タイプに標準装備。” |
・ヒルスタートアシスト機能
坂道での停止からの発進の後退を防ぐ
“坂道発進時、ブレーキからアクセルへ、ペダルを踏み替える瞬間のクルマの後退を約1秒間抑制するヒルスタートアシスト機能を全タイプに標準装備。” |
・サイドビューサポートミラー(助手席側)
運転席から左前方が見える
“通常は運転席から見えない左フロントタイヤの前方を映し出すミラー。さまざまなシーンで安心感のある運転をサポートします。” |
上記ではステップワゴンに搭載されている運転支援システムを紹介したが、
さらにメーカーオプションによって「駐車支援システム」を搭載する事も可能だ。
・マルチビューカメラシステム
=4つのカメラで駐車をサポート
・Hondaスマートパーキングアシストシステム
=バック駐車や縦列駐車も自動でハンドル操作してサポート
・後退出庫サポート
=バック出庫時、左右から近寄ってくる車を知らせてくれる
もちろん、ヴォクシーやノアにも安全運転支援システムは搭載されている。
「Toyota Safety Sense C(トヨタセーフティーセンスC)」と言うホンダで言えば「ホンダセンシング」にあたるシステムを採用している。
しかしToyota Safety sense C(トヨタセーフティーセンスC)の自動ブレーキは歩行者を検知する事が出来ない。
ホンダセンシングとトヨタセーフティーセンスCはどちらが優れているのかは一概には比較出来ないが、各メーカーはモデルチェンジごとに、新たな機能を安全運転支援システムに搭載してくる傾向がある。
今回は、ステップワゴンの方がモデルチェンジされて間もない事を考えると安全運転支援システムでもオススメできると言えるだろう。
なお、トヨタにはセーフティーセンスPと言う安全運転支援システムも用意している。
CよりもPの方がその性能は優れているのだ。
エンジンと走行性能についてみていこう。
比較してみると、ガソリンモデルで最もパワーがあるのはヴォクシー/ノアだ。
しかし、新型ステップワゴンではガソリンとハイブリッドでは走行性能に大差がないのが分かる。
通常ハイブリッドモデルの場合は走行性能はガソリンと比べると落ちるものだが、
ステップワゴンスパーダハイブリッドの場合は「スポーツハイブリッドi-MMD」を採用しているので高性能な走りを実現しているのだ。
▼新型ステップワゴン
ガソリンモデル:1.5L VTECターボエンジン
最高出力:110kW[150ps]/5,500rpm
最大トルク:203N・m [20.7kgf・m]/1,600~5000rpm)
ハイブリッドモデル:SPORT HYBRID i-MMD
最高出力:107kW[145ps]/6,200rpm
最大トルク:175N・m [17.8kgf・m]/4000rpm)
▼ヴォクシー
ガソリンモデル:3ZR-FAE型 2.0L 直4 DOHC
最高出力:112kW[152ps]/6,100rpm
最大トルク:193N・m [19.7kgf・m]/3,800rpm)
ハイブリッドモデル:2ZR-FXE型 1.8L 直4 DOHC
最高出力:73kW[99ps]/5,200rpm
最大トルク:142N・m [14.5kgf・m]/4000rpm)
▼ノア
ガソリンモデル:3ZR-FAE型 2.0L 直4 DOHC
最高出力:112kW[152ps]/6,100rpm
最大トルク:193N・m [19.7kgf・m]/3,800rpm)
ハイブリッドモデル:2ZR-FXE型 1.8L 直4 DOHC
最高出力:73kW[99ps]/5,200rpm
最大トルク:142N・m [14.5kgf・m]/4,000rpm)
ガソリンモデルの最高出力を見てみると最もパワーがあるのはヴォクシー/ノアだと言う事が分かる。6100回転時に最高出力の112馬力が出る。
対する、ステップワゴンの場合は、5500回転時に110馬力だ。
しかし、
ステップワゴンはターボの力でアクセルをあまり踏み込まなくても力強い加速を発揮してくれる。
ヴォクシー/ノアはある程度ふみこないと加速を味わえない点は少々残念である。
ハイブリッドモデルで比較すると、
加速力やパワーなど、ガソリンモデルと大差のないステップワゴンスパーダハイブリッドの方が優れているのがわかる。
新型ステップワゴンでは、ハイブリッドでもガソリン並の走行性能を誇るのだ。
スパーダハイブリッドの評価が高い点は、燃費性能の向上は勿論、走行性能もガソリン並だと言う点だ。
ミニバンクラスのハイブリッドでは頭一つ抜けているのだ。
ステップワゴンの使い勝手の最大の魅力は「わくわくゲート」を採用している点だ。
乗り降りができるサブドアは新型ステップワゴンにしかない魅力である。
室内からでもサブドアから外に出れるので日常の使い方にピッタリの構造なのだ。
一方、ヴォクシー/ノアの場合は
先代ステップワゴン同様に「上下開閉式テールゲート」を採用している。
わくわくゲートの方が、縦横に開く分多彩である。
上下閉会式テールゲートの場合は、狭い所で乗り降りする際には若干大変である。
・新型ステップワゴン
3列シートは床下に格納できるので荷室の横幅を最大限に使う事が可能だ。
そして床下格納なので車庫入れ時での後方の視界がとてもよい。
・ヴォクシー/ノア
跳ね上げ式の3列シートなので
シートが邪魔になり荷室を最大限に使う事は出来ない。
車庫入れ時の後ろの視界が3列シートが邪魔になり見え辛い点がある。
使い勝手を比較すると、後にモデルチェンジされたステップワゴンの方がやはり一歩上か。
ステップワゴン、ヴォクシー、ノアで悩んだ際には、
それぞれに良さがあるので一度試乗をして乗り比べてみると良いだろう。
ヴォクシー/ノアの良さはやはりトヨタブランドと言う点と外観の良さにある。
外観ではイマイチぱっとしなかったステップワゴン。
2015年4月にフルモデルチェンジされたが外観が地味過ぎて販売台数は伸び悩んだ。
今回のモデルチェンジによって、スパーダではフェイスを変えて来たのでヴォクシー/ノアと渡り歩けるようになっただろう。
今後はステップワゴンの逆襲に期待していきたい。